臨床成績

第Ⅲ相臨床試験 針穿刺4試験結果概要

  静脈穿刺2) 硬膜外
ブロック3)
動脈穿刺4) トリガー
ポイント5)
試験の種類 ランダム化二重盲検並行群間比較試験
プラセボ対象
オープン
試験
オープン
試験
オープン
試験
針の太さ 20G 局所浸潤麻酔:25G
硬膜外穿刺:20G
局所浸潤麻酔:26G
動脈穿刺:22G
25G
使用薬剤 エムラクリーム プラセボ エムラクリーム エムラクリーム エムラクリーム
解析対象症例数 42例 44例 23例 21例 23例
年齢 20〜64歳 20〜74歳 20〜64歳 20〜74歳
塗布時間 60分 60分 60分 60分
主要評価項目 VAS値※1 VRS値※2有効率※3
18.8±17.86mm 39.6±22.94mm 局所浸潤
麻酔注射時
95.7%
局所浸潤
麻酔注射時
95.2%
トリガーポイント注射時
100%
主要評価項目 VRS値※2有効率※3 -
95.2% 61.4% 硬膜外穿刺時
87.0%
動脈穿刺時
100%
副作用発現率 21.4% 0% 0% 23.8% 21.7%
主要評価項目 主要評価項目 主要評価項目 主要評価項目 主要評価項目
疼痛 疼痛 局所浸潤麻酔注射による疼痛緩和範囲 局所浸潤麻酔注射による疼痛緩和範囲

(平均値±SD)

※1
VAS(Visual Analogue Scale)値:静脈穿刺時の最大の痛みを100mmの線分(一方の端を「痛くない(0mm)」とし、他方の端を「これ以上ない痛み(100mm)」とする)のどの位置にあたるか、被験者本人が記入することで評価。
※2
VRS(Verbal Rating Scale)値:注射針・静脈留置針穿刺時の最大の痛みを以下の4段階で被験者本人が記入することで評価。
1:痛くない、2:すこし痛い、3:痛い、4:すごく痛い
※3
VRS値有効率:「痛くない」+「すこし痛い」/解析対象症例数×100(%)

第Ⅲ相比較臨床試験2)
(多施設共同ランダム化二重盲検並行群間比較試験)

静脈穿刺予定の成人患者を対象として、静脈穿刺予定部位にエムラクリーム又はプラセボを塗布し、穿刺時の疼痛緩和効果及び安全性を検討した。

対象

静脈穿刺予定患者86例
エムラクリーム群:42例(男性19例、女性23例、平均年齢42.8歳)
プラセボ群:44例(男性18例、女性26例、平均年齢42.5歳)

試験方法

エムラクリーム又はプラセボ2gを、静脈穿刺予定部位を中心に20cm2の範囲に60分間密封塗布し、薬剤を拭き取り乾燥させた後、消毒し、速やかに静脈穿刺(20Gの留置針)を行った。静脈穿刺終了後、速やかに局所麻酔効果をVAS値及びVRS値により評価した。

VAS値は痛みの程度を反映する指標として一般的に用いられており、また被験者の主観的感覚が重要であること、結果の臨床的意義や解釈が容易であること、効果を定量的に測定することが可能であること、区分された指標(VRS値)よりも一般的に精度が高いと思われることから、主要評価項目として使用することとした。

評価項目

  • 有効性
    主要評価項目
    • 被験者による静脈穿刺時の局所麻酔効果(VAS値)
    副次評価項目
    • 被験者による静脈穿刺時の局所麻酔効果(VRS値)
  • 安全性
    • 有害事象、副作用、自覚症状・他覚所見、塗布部位の皮膚所見、一般臨床検査

主要評価項目:静脈穿刺時の局所麻酔効果(VAS値)

エムラクリーム群とプラセボ群のVAS値(平均値±SD)は、それぞれ18.8±17.86mm、39.6±22.94mmであり、エムラクリーム群のプラセボ群に対する有意な局所麻酔効果が認められた(p<0.001)。また、エムラクリーム群とプラセボ群のVAS値の差であるHodges-Lehmann推定量は、-20.0mm(95%信頼区間:-31.0〜-11.0mm)であり、VAS値の群間差についてもエムラクリーム群はプラセボ群に対して有意な局所麻酔効果を示した。

主要評価項目:静脈穿刺時の局所麻酔効果(VAS値)

副次評価項目:静脈穿刺時の局所麻酔効果(VRS値)

エムラクリーム群はプラセボ群に比して、VRS値において有意な局所麻酔効果が認められた(p<0.001)。VRS値が「すこし痛い」以上を有効とした有効率は、プラセボ群が61.4%(27/44例)に対してエムラクリーム群は95.2%(40/42例)であった。また、静脈穿刺時のVRS値が「痛くない」である無痛率は、プラセボ群の4.5%(2/44例)に対し、エムラクリーム群では31.0%(13/42例)で、エムラクリーム群ではプラセボ群に比べ有意な局所麻酔効果が認められた(p=0.001)。

副次評価項目:静脈穿刺時の局所麻酔効果(VRS値)

安全性

副作用は、エムラクリーム群での9件9例(21.4%)であった。「適用部位蒼白」が8件8例(19.0%)及び「適用部位紅斑」が1件1例(2.4%)で、いずれもエムラクリーム塗布部位に発現した事象であり、本剤の有効成分の薬理作用に起因するものであると考えられた。

2)花岡 一雄 他: 臨床医薬. 2015; 31(7): 683-697(承認時評価資料)
3)花岡 一雄 他: 臨床医薬. 2015; 31(7): 699-711(承認時評価資料)
4)花岡 一雄 他: 臨床医薬. 2015; 31(7): 713-724(承認時評価資料)
5)花岡 一雄 他: 臨床医薬. 2015; 31(7): 725-734(承認時評価資料)